マラソン選手は風邪を引きやすい?
2018年05月25日
スポーツプラス健康コラム
マラソン選手は風邪を引きやすい?
座ること、歩くこと、走ること、この3つの動作のうち、最も健康に寄与するのはどれでしょうか? 別の言い方をすれば、パソコン作業に従事する事務員さんと、ゴルフ場のキャディさんと、 プロのマラソン選手のうち、秋から冬にかけて、最も風邪にひきやすいのはどの人でしょうか? 運動量によって、 A 一日のほとんどを座って過ごす人 B 一日に60分歩く人 C 一日に15キロ真剣に走る人 の3群に分けた時、上気道炎 (風邪) のかかりやすさは、 C→A→B の順番であるという論文が発表されました。 1987年のロサンゼルスマラソンに参加した2311人のうち、12.9%が一週間以内に風邪の症状を自覚し、 マラソンに参加していない群の2.2%と比較して、明らかに高い罹患率だったようです。 マラソンのような強い運動の後には、白血球の数が増え、12時間後にピークを迎えるのですが、 逆に、ナチュラルキラー細胞(NKcell)という感染症と戦う白血球の一種の活性は低下し、 同じく12時間後に最低にまで落ち込む、とういうのがその生理学的な説明です。 運動と免疫の関係は必ずしも比例関係にはなく、走ることと、座ることは免疫力を低下させ、 歩くことが免疫力の向上につながると言えます。休日に、マラソンをするか、パチンコをするか、 ゴルフをするかで、寿命は大きく変わるようです。 【参考文献】 Nieman D C, Upper respiratory tract infections and exercise, Thorax, 1995; 50(12):1229-1231
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